■ 非移民ビザ申請時に絶対やってはいけない事

日本で非移民ビザを申請する場合、絶対にやってはいけないことがあります。それは、アメリカに永住したいという意思を示すことです。非移民ビザというのは日本に帰国することを前提として発行されるビザですから、万が一アメリカにずっと住むような素振りを見せると大使館領事館側は非常に警戒します。ですから、みなさん自身の実際のアメリカに行く理由や目的はどうであれ、必ず最終的には日本に帰国する意思があるのだということを、申請の際、またはアメリカに入国する際にもはっきり示すことを忘れないでください。

この帰国する意思が不十分という大使館・領事館側の判断は各審査官にゆだねられています。ですので、各ビザの項で書かれているような、サポートの書類はあればあるだけ良いということになります。超過して用意をしたからといって、無駄になっても損になることはありませんから、各非移民ビザの項目を充分に検討し、サポート書類を用意してください。特に、過去に不法滞在等の履歴がある外国人に対しては非常に厳しく審査されますので、サポート書類は必要不可欠です。

またもう一つやってはいけないことは、学生ビザを申請する際、絶対にアメリカで働くような素振りを見せてはいけないということです。学生ビザを申請する時、十分なお金があるかどうか証明書を見せるように言われますが、これはまさにアメリカ政府が、外国人学生がアメリカに入国した後、学費稼ぎに働くのを防ぐために行われていることなのです。ですから、目的に応じたビザを取得する事がとても大事なのです。私が扱ったケースでも、日本人が観光ビザで入国する際、入国管理官に止められてスーツケースの中身を調べられた時、商業用の小切手や帳簿、それに商売用の名刺等がでてきてしまい、これでは観光が目的ではなく商売するのが目的だとみなされても仕方がなく、その場で強制送還されてしまいました。その後、どのような形にしろ、ビザを取得するのが難しくなったことは言うまでもありません。

以上の注意点は、最近課せられるようになった面接時にも適用されます。面接時に大使館・領事館の面接官が少しでも疑問を抱くと、更に書類の提出を求められたり、最悪の場合はビザの発行を拒否されてしまいます。また、面接が終わって、ビザも受け、アメリカに入国しようと思っても、アメリカ入国時にもう一度入国審査官の審査を受けることになります。ちゃんと大使館・領事館から非移民ビザを受けていたとしても、アメリカ入国の際の審査官が入国を拒否することは移民法上できますし、まだ入国をしていない段階なので、アメリカの法律によって保護されません。ですので、アメリカ入国の際にしても、必ずビザを申請したときと同じ書類を持って入国することが必要でしょう。なにか質問があった場合に、書類を使って説明ができるからです。また、入国が拒否されたからといって、再入国ができないということはないですが、再度大使館・領事館でビザを申請することが重要です。



本稿は2004年11月現在の情報です。その後のアップデートについては現役移民弁護士ブログ・法律ノート等を合わせてご覧ください。また、本稿は弁護士によって執筆されていますが、一般的な情報を開示しているだけであり、個々の事例や質問に対して アドバイスをしているわけではありません。

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