■ ビザウェイバープログラム

歴史的に見て、違法な移民が少ない国には、ビザを要求せずに自由に観光を認めるというプログラムがあります。日本もその国の一つに認められていて、Bビザを取る必要もなく90日間であれば、アメリカに観光あるいはビジネス(就労することはできません。また商売を始めることも出来ません)を目的として入国できます。ただし、入国する際にアメリカから90日以内に出国する飛行機のチケット等の呈示を求められる場合があります。

ビザウェーバーでアメリカに入国するために必要な書類にI-94Wという薄緑色の書類があります。機内で配られるのが普通ですが、その細長い紙にはビザウェーバーでのアメリカ入国の条件等が記載されていますので、必ず入国前に確認しておいてください。

ビザウェーバーを使うと、実に簡単にアメリカ入国ができますから、ほとんどの観光客はこのプログラムを使うようですが、短所はたくさんあります。まず、期間が90日と短い事です。そしてこの90日という期間は一切延長が認められていません。ですから、90日以内に必ずアメリカから出国しなければならないのです。他のビザに切り替える事も一切認められていません。一部永住権申請については例外があるのですが、それはアメリカ市民と結婚をする場合です。ですから、他のビザに変えるような予定があったり、90日以上アメリカを観光したい場合であれば、Bビザを申請する事をお勧めします。ただ、日本人にとっては、このビザウェーバープログラムがあるため、B-2の観光ビザは以前よりもらいにくくなりました。

2004年からビザウェーバープログラムでアメリカに入国をする際には、必ず機械読み取り式のパスポートを提示する必要があります。日本が発行するほぼすべてのパスポートは機械読み取り式になっているので、あまり特別な注意はする必要がありません。 確認のために出国の際、航空会社のカウンターなどで確認しておけば充分です。

カナダやメキシコから陸路で入国する場合も、このプログラムを利用することができます。ただしその場合は、十分に滞在費があるということや本国へ戻った際にきちんと住むところがあるということを示す必要があります。また、アメリカの隣国に一時的に出国する場合には、以下の項目を必ず参照してください。

●カナダ・メキシコなどの隣国への一時的出国のルール

カナダ・メキシコ等の隣国にアメリカから一時的(30日間を上限)に出国する外国人に対しては、アメリカを出国していないこととするというルールがあります。ですので、一旦アメリカを出国しても、再入国が可能になりますので、再度ビザを取得しなくても良い場合があります。逆に、ビザウェーバーやBビザでアメリカに入国し、一旦外国に出て、もう一度新規の滞在期間を得たいと思っても、メキシコやカナダに出るだけでは、出国したとは見なされません。

一旦ビザウェーバーでアメリカに入国し、不法滞在、不法就労をしてしまって、移民局がその事実を把握している場合には、ビザウェーバーでアメリカに再度入国することはできません。ですので、その場合には、何らかの非移民ビザを大使館・領事館を通して取得してからアメリカに入国しなければなりません。



本稿は2004年11月現在の情報です。その後のアップデートについては現役移民弁護士ブログ・法律ノート等を合わせてご覧ください。また、本稿は弁護士によって執筆されていますが、一般的な情報を開示しているだけであり、個々の事例や質問に対して アドバイスをしているわけではありません。

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