■ F-1ビザ (学生ビザ)
F-1ビザは通常学生ビザと言われ、小学生から博士課程の学生まで、ほとんどの留学生がF-1ビザの対象となります。ただし学生の中でも職業訓練校に通う学生はこれに含まれません。職業訓練生には別にM-1ビザというビザが与えられています。 F-1ビザはフルタイムの学生や、語学学校に通う学生に発行されます。また、家族には付帯ビザが発行されますが、付帯ビザ保持者はアメリカ国内で働くことはできません。

F-1で勉強する学生はフルタイムで学校に行かなくてはなりません。フルタイムとは例えば大学で学士を目的として勉強している場合、一学期に12単位以上を取っていることです。語学学校などの場合は週に18時間以上通っていることが必要です。また、F-1ビザを受けるには、アメリカで勉強する間に必要な学費その他の経費を賄うのに充分な預金があることを証明しなくてはいけません。

F-1ビザは留学期間にあわせて通常6ヶ月から5年間の長さで発行されます。ビザの期間とアメリカ国内に合法的に滞在できる期間(つまりI-94に記載されている期間)とは違うということを”ビザ期限と滞在期限の違いについて”の項で説明しましたが、学生ビザで入国する場合、I-94にははっきりいつまで滞在できるかということは通常書かれておらず、D/Sと記載されています。これはDuration of Statusという英語の略で、勉強を続けている限り8年を上限としてアメリカに合法的に滞在することができます。ただし、ビザが切れた後は、一旦アメリカから出てしまうと、再入国の際、新しいビザが必要となります。I-20をもらった学校から、他の学校に移ることも比較的簡単にできます。また、授業にきちんと出ていないと、学校は移民局にその旨を通知する義務が課されており、通報されてしまうとビザが取消となるケースもありますので注意が必要です。

なお、学士以上の勉強を終えた者には、プラクティカルトレーニングという1年間の実習期間がもらえ、Fビザでも働く事が許されます。これは自分の勉強した分野で、経験を得る事が目的です。このプラクティカルトレーニングには雇用者は要件として設定されていませんので、アメリカに合法的に滞在することは就労ビザに比べて申請書類等が簡単になっています。
就学中にも週に20時間以内であれば、学校内でアルバイトをすることも、許可を受ければ合法的に可能となります。また、スカラーシップの一部として働くこともケースによっては可能です。

F-1ビザをもって公立の中学校または高校で勉強したくても、一部の例外はありますが、F-1ビザは発行されません。また同じように無料で行ける講座(つまり、アダルトスクールとか大学の無料講座)をもとにF-1ビザはもらえません。ですので、まず私立の学校にFビザを持って入学しても、その後、公立の学校に転校することは基本的にはできません。

ビザウェーバーで入国し、2,3のコースを取ることは学生ビザがなくても許されています。現にそのような外国人に対してオファーされているクラスも少なくありません。もし、一旦アメリカにビザウェーバーまたはBビザでアメリカに入国して、将来修学したい学校を探しに来た場合には、入国の際にその旨を告げると良いです。

Fビザを保持していると、学校の授業がはじまる前30日間はアメリカに自由に入国し、授業の用意をすることができます。また、修学が終わってから、Fビザの場合にはI−20に記載されている終了予定日から60日間、別項にあるMビザは30日間出国の準備として合法的に滞在することが認められています。また、I-20の修学期間の延長を申請するためには、I−20の期限が失効してから30日以内に申請書類の提出を完了しなければなりません。

●申請書類

1.DS-156(スタンダード非移民ビザ申請用紙)※
2.I-20A-B(入学許可・在学証明)※
3.サポートドキュメント※
4.パスポート (有効期限が少なくとも6ヶ月あるものを含め過去10年分)
5.写真(5cm×5cm)(2,3葉追加で用意しておくとなにかあるときに便利)
6.申請費用振込済み領収証(DS-156に添付)
7.返信用A4サイズ封筒(切手240円つき) ※
8.DS-157(非移民ビザ補足申請書)※
9.DS-158(非移民ビザ申請者の連絡先及び職歴書)
10.クリアーホルダー

※1.DS-156
現在はオンライン申請のみ可です。http://japan.usembassy.gov/visa-forms/ds-156j.htmで入力後、申請書を印刷します。 申請費用は100ドルですが、http://usembassy.state.gov/tokyo/wwwhvisa-7133.html で日本円の換算金額を調べ、東京三菱銀行のATMで振込み、振込領収書をDS-156の3ページ目の余白にテープかのりで貼り付けます。インターネットバンキングでの振込は認められていません。

※2.I-20A-B
I-20A-Bは移民局の認可を得ている学校の入学許可が下りると、入学許可の通知と共に学校から送られてきます。よってビザ申請の前段階として、このI-20A-Bを希望する学校から得ておく必要があります。SEVIS仕様のオリジナルI-20の提出が必要です。学校から、SEVIS仕様のI-20を得ることが前提条件となります。

※3.サポートドキュメント
留学期間中のすべての費用を賄えるだけの経済力があること、そして学業終了後には必ず日本に帰ることを証明します。 複数年留学する場合は、最低最初の1年分をカバーできるぐらいの残高が必要です。また、場合によっては日本に帰国する意思を示すための証明、たとえば就労先、所有している不動産等の証明書類を出す必要があります。 また911事件以降、アメリカでフライト・トレーニングを受ける場合には、追加の証明が必要となります。また、アメリカ国内で家族等から金銭的な援助が必要な場合にはI-134(Affidavit of Support)が必要になります。また現在学生の方は、成績証明書も提出が必要です。

※7. 返信用A4サイズ封筒(切手240円つき)
返送の期間を短縮するために「速達」のはんこをつけ、速達分の切手を加えて添付するとよい。

※8.DS-157
16歳以上の申請者は全員提出の必要があります。

●面接

2004年7月1日以降、一部を除いてほとんどのビザ申請に、東京の在日米国大使館あるいは大阪の米国総領事館における面接が義務付けられることになりました。面接予約は3ヶ月前からウェブでできます。http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-nivinterviewprep.html

●プラクティカルトレーニング申請に必要な書類

1.I−765
2.I−20 ID
3.I−94
4.可能であれば、雇用者からの手紙



本稿は2004年11月現在の情報です。その後のアップデートについては現役移民弁護士ブログ・法律ノート等を合わせてご覧ください。また、本稿は弁護士によって執筆されていますが、一般的な情報を開示しているだけであり、個々の事例や質問に対してアドバイスをしているわけではありません。

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